03 小網神社(福禄寿)
■所在地
東京都中央区日本橋小網町16-23
■最寄り駅
都営地下鉄浅草線「人形町」駅
東京メトロ日比谷線「人形町」駅・「茅場町」駅
東京メトロ日東西線「茅場町」駅
東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」
祭神:
倉稲魂命(ウガノミタマノカミ)
相殿(市杵島姫命)
三之宮(福禄寿)
平安時代中期、武蔵国豊島郡入江に恵心僧都により開基された万福庵という庵があり、観世音と弁財天が安置されていたそう。
室町時代中期の文正元年、庵の周辺で悪疫が流行し人々が困り果てていた頃、網師の翁が海上で網にかかった稲穂を持って訪れ、数日間を庵で過ごした。ある夜、開基・恵心僧都が当時の庵主の夢枕にたち「網師の翁を稲荷大神と崇めれば、村の悪疫は消滅するだろう」と告げられたとの事。 夜が明け、網師翁の姿は庵には無かったが、庵主は恵心僧都の託宣を村人たちに告げ、翁を小網稲荷大明神と称え、神社を創建して日夜祈願をつづけた。すると間もなく村の悪疫は鎮まり、村人たちは歓喜したといわれている。
このご神徳を聞いた領主太田道灌も折に触れ詣でられ、土地を寄附し、小網山稲荷院万福寿寺と名付けたとされている。
慶長年間頃には寺社名にちなみ周辺地域を小網町としたそう。
明治元年の、神仏分離令により、同境内の万福寺と分離しましたが、万福寺はその後廃寺となったため、明治2年、弁財天が神社に遷座された。明治6年小網稲荷神社として、村社に指定された。
関東大震災で建物が焼失し、昭和4年に今の社殿が造営された。
戦後、宗教法人化にともない小網神社となった。日本橋地区で唯一、戦前から残る木造神社建築で、社殿と神楽殿は中央区の文化財に登録されている。
平成28年の御鎮座550年記念奉祝事業では、本殿、神楽殿などを次の世代に継承すべく、木材はすべて残した上で、屋根銅板葺替工事が行われた
小網神社に祀られている福禄寿は財運招福、延命長寿、招徳人望の神様とされている
参考文献:
東京都神社名鑑(上巻)、日本橋・京橋地区(現東京都中央区)に所在する全神社の由来に関する実地調査、東京下町散歩25コース、中央区史(上巻)
MOVIE
協力:小網神社